| どこかの回答で、<ひるま歯科では外科矯正の場合抜歯を推奨している>という様な書き方をしていたのでしょうか。抜歯か非抜歯かはあくまでも分析の結果ですから、<はじめに非抜歯ありき>という考えはありません。ただ、下顎前突症(受け口)の外科ケースでは、下顎の過成長(同時に上顎の劣成長)という場合が多いので、必然的に上顎は抜歯、下顎は非抜歯にはなりやすくなります。 ただ、manaさんは、先の投稿を読むかぎり<左側下顎骨頭変形があり>、骨延長術を受けた特殊なケースですので、いわゆる外科ケースの一般論は当てはまらないと考えた方がいいと思います。 A.L.Dは(Arch Length Discrepancy)のことだと思いますが、これはTweed分析の一つで、“下顎の”歯槽基底(歯が並ぶべき骨の部分)の長さと、下顎の歯牙幅経の総和(7〜7)との差を調べるもので、歯牙幅経の総和の方が大きくなれば歯は顎の中に並び切らないわけで、歯はデコボコ(叢生:そうせい)になるか前突することになるわけです。 それが(ー)ということはDiscrepancy(差、ズレ)がないということで、担当医は非抜歯と判断する指標の一つにしたのだと思います。Tweed分析は、矯正歯科界で高名な故C.H,Tweedが考え出した分析法で、ことに<Tweed三角>が有名ですが、単純に3つの数値で表すだけに解りやすい分、数値だけで判断してしまい勝ちなところに、この分析法の陥穽(かんせい)があるように思います。下顎歯列を基準にするところがこの分析法の特長なのですが、それだけに、顎変形症の外科ケースにこの分析法はあまり適していません(担当医がこの分析法を用いているかどうかは分かりません)。 その後改良されているとは思いますが、何せ40年以上前の分析法ですので、A.L.DやTweed三角などの用語を懐かしく想い出しました。
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