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Nomal 噛みしめ呑気症候群 /アンアン (07/07/25(Wed) 17:29) #3067
Nomal Re[1]: 噛みしめ呑気症候群 /晝間@ひるま矯正歯科 (07/07/28(Sat) 15:31) #3069
  └Nomal Re[2]: 噛みしめ呑気症候群 /アンアン (07/07/29(Sun) 00:40) #3072 解決済み!


親投稿 / ▼[ 3069 ]
■3067 / 親階層)  噛みしめ呑気症候群
□投稿者/ アンアン -(2007/07/25(Wed) 17:29:24)
    噛み合わせが悪いと顎関節症や不定愁訴が起きるとはよく聞きますが
    最近、噛みしめ呑気症候群というのを知りました。
    噛み合わせが悪いから顎関節症や不定愁訴が起きるんじゃなくて
    噛み締めることが悪いんだと。
    噛み締めると、唾液と一緒に空気も呑み込んでしまうため
    体の中に空気がたまって不定愁訴が起きる、だから
    噛み合わせを治すために歯を削る咬合調整や歯列矯正などは
    よほどのことがない限り、なるべくしない方が良い、とのことなのですが
    特に咀嚼等で問題がない場合、矯正をしたり虫歯でもないのに歯を削ったりして
    噛み合わせを治す治療は必要ないのでしょうか?
    (噛みしめ呑気症候群は、医師と歯科医師の免許をもってる
    小野繁先生という大学の教授が発見したそうですが…)

    そもそも、基本的に歯列矯正というのは審美のためにやるものですか?
    それとも、噛み合わせをバッチリと治して健康になるためにするものですか?
    どちらも含まれると思うのですが、こないだ、矯正の相談に行った矯正歯科では
    矯正は美しくなるためだけにするものではないが
    美しくならなければする意味がないと言われました。が、もう一つの矯正歯科では
    審美に重点を置いて矯正すると健康上の色んな問題が起こる事が最近分かってきたので、
    健康を維持するためなら多少審美が犠牲にならざるをえない場合もある、とのことで
    同じ矯正治療でも先生によって、意見が異なるものだなと改めて知りました。
    矯正治療において、これが絶対に正しいといった考え方はないと
    思った方が良いのでしょうか。正直な自分の考えは、
    審美的に良くなって周りの人から好印象をもたれたいし
    健康になって色んな事にチャレンジしたいという気持ちがあります。
    欲張りなのかもしれませんが
    要するに、見た目も良くしたいし健康で元気にもなりたいのです。
    どっちかを優先させたら片方は損なわれる、では困るのです。
    なので、どういう考え方の矯正医を選べば良いのか分かりかねています。
    色々、支離滅裂な内容になってしまいましたが、
    経験豊富なひるま先生のご意見を頂けたら幸いです。よろしくお願いいたします。
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▲[ 3067 ] / ▼[ 3072 ]
■3069 / 1階層)  Re[1]: 噛みしめ呑気症候群
□投稿者/ 晝間@ひるま矯正歯科 -(2007/07/28(Sat) 15:31:31)
http://www.hiruma.or.jp
    2007/07/29(Sun) 07:48:36 編集(投稿者)

     <噛みしめによる呑気が不定愁訴の原因>という説については、正直「よく分からない」というのが回答です。東京医科歯科大頭頸部心療科の教授が「噛みしめ呑気症候群」を唱えているのは知っていますが、論文やそれに類する発表を見ていませんので、軽々しくコメントすることは控えます。
     ただ、<咬みしめ>という行動が<食いしばり(Bruxism:ブラキシズム)>と同義とすると、歯科医療の現場では昔から問題にされてきた異常行動で、その方面での臨床家としての第一人者は押見一(おしみ・はじめ)先生だろうと思います。矯正専門医のM先生もブラキシズムを研究している一人で、これらの先生は日本歯科医師会雑誌にも論文を掲載し、講演もしていますが、その中で呑気について触れた話はありません。
     だからこそ新発見なのかもしれませんが、2004年頃にある新聞の医療欄に「噛みしめ呑気症候群」のことが掲載されて、その名前がはじめて市民権を得た格好ですが、その後、その先生の教室以外から追随して研究が発表されたり、歯科医師会雑誌で取り上げられることはなかったように記憶しています。
     新発見は常に自説から始まりますが、確かなデータの積み重ねと第三者による実証がなければ、素晴らしい話であっても所詮は私論に過ぎません。たとえば、以前ある大学教授が癌(がん)を治すワクチンを開発したとして話題になりましたが、どの研究機関で試しても実証されず、そのワクチン話はやがて消滅しました。このように、世間をアッといわせるような発見こそ地道な検証が必要で、医療の世界でこれをEBM(Evidence based Medicine)といって極めて大事なプロトコル(手続き)とされています。
     「噛みしめ呑気症候群」を、インチキだと言っているわけではありません。そういうこともあるかと思いますが、それですべてを語るには無理があるように思います。ことに、<咬みしめ>ー<舌が上あごにくっつく>ーその反射で<だ液と空気を飲み込む>ー<不定愁訴>という説明には飛躍があって、牽強付会(ケンキョウフカイ)の感は否めません。
     この件についてはこれ以上深入りしませんが、不定愁訴と咬合についての私的見解は、最近の過去ログ(下記)から読み取ってください。
    http://www.hiruma.or.jp/cgi-bin/treebbs/cbbs.cgi?mode=all&namber=3039&type=0&space=0&no=0

     「矯正は美しくなるためだけにするものではないが、美しくならなければする意味がない」という言葉は間違っていません。矯正に限らず、とかく医療というと<美しくなる>ことを蔑視する傾向がありますが、上の言葉にはそれに対する痛烈な批判が込められていて、<矯正治療が機能的、形態的改善をするのは当然であるが>という前句があり、そのうえで<矯正前より美しくならなければその矯正はおかしい>といっているのです。
     機能優先を唱える矯正医は、時に我説を押しつけ患者とトラブルになりますが、そもそも機能とは何かの定義がむずかしく、矯正治療前後で機能がどう改善されたのか、エビデンス(証拠、実証)をもって説明している矯正医を知りません。矯正治療後に機能値が悪化していたらどうするのでしょうか。また、審美目的の矯正治療後は、必ずその数値が悪くなるというのでしょうか。そもそも八重歯や受け口だと口腔機能は劣っているのでしょうか。その先生は、明確な不正咬合があっても、機能の数値が悪くなかったら矯正はしないといえるのでしょうか。
     どちらの矯正医を選べばいいか、私なら迷わず「矯正は美しくなるためだけにするものではないが、美しくならなければする意味がない」といった矯正医の方を選びます。
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▲[ 3069 ] / 返信無し
■3072 / 2階層)  Re[2]: 噛みしめ呑気症候群
□投稿者/ アンアン -(2007/07/29(Sun) 00:40:59)
    ありがとうございます。真摯に説明して下さり分かりやすくとても参考になりました。
    リンク先の方も仰っているとおり、どなたにも分け隔てなく対応されてるひるま先生は、
    着実に当たり前のように菩薩道を歩まれている方だなと思いました。

解決済み!
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