| 2006/11/01(Wed) 12:54:28 編集(投稿者)
「クリアライナーの理論と臨床応用」(砂書房発行)という本を手元に回答しています。(副院長が)この本を購入した理由は、この装置を使ってみたいからではなく、理論も臨床成績も知らないで使わないのと、知ったうえで使わないのとでは大違いだからですが、学術書とはいえこの内容で18.900円は高いというのが印象でした。 著者は金泰元先生という韓国の矯正医で、本はその日本語訳版ですが、著者の緒言に「本書がやや愚書であっても、読者には寛大さをもって接していただき、将来的により進歩したものへと繋がることを期待していただければ幸いである。」とあるとおりの本であり、装置であることが分かります。 この装置の特長は、歯形の模型上で人為的にわずかづつ歯を配列し、その型をとってクリアライナーにしていくわけですが、たびたびの配列作業とクリアライナーの作成は、基本的に歯科技工所が行なう点です。 技工所は、何とかという(もっともらしい?)ライセンスの取得が必要とかで、現在、ある歯科技工所一ヶ所だけが日本で唯一のクリアライナー作製認定技工所とされています。数カ月前、その社長と話す機会があって話を聞いたところ、注文は結構あって、大半は一般歯科医からであとは若い先生から、ということでした。 ご質問への回答です。使っていない装置に対するコメントはどうしても辛口になりますが、その先生がいうように<ワイヤー矯正ほどきっちりしたかみ合わせは作れない>という点こそが最大の問題で、やまがたさんのようにオープンバイトにはかなり不向きな装置です。オープンバイトの症例写真がわずかに載っていますが、何でそこまで無理してこの装置を使わなければいけないのか、という感じの手間が必要です。 <長い目でみたときのデメリット>は、この装置の歴史からみて知る矯正医はまだおらず、やまがたさんの治療経過と結果がそれを判断することになりそうです。
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