| <いつ矯正を始めるかなかなか判断出来ずにおります> 矯正治療の開始時期(いつ、何を、なぜやるのか)については、矯正臨床上の究極の命題といってよく、矯正歯科臨床はこれまでもこれからも、この問題に明確な解答を見つけるために研究と臨床を積み重ねているような気がします。 その理由を詳細に書くと大論文(?)になってしまいますが、書いてもせいぜい一矯正医による個人的見解(一説)としか認められません。たとえば、お嬢様のケースをテクニック(学派)の異なる何人かの矯正専門医で話し合ったとしたら、方針(開始時期や方法)はまずほとんどそれぞれ異なったものが出ると思います。さらにそこに小児歯科医や一般歯科医が加われば、話は四分五裂になって収拾がつかなくなるでしょう。矯正治療(の開始時期)とはかくも複雑で、よくいえば奥深く悪くいえばつかみ所のないものです。 お嬢様のケースに対し当院ではどう考えるかは、下記のページ<子供の矯正ナビゲータ>をお読みいただきますが、結局は資料を採って分析検討してみなければ、開始時期は決定できません。 http://www.hiruma.or.jp/html/navi/child_navi_01.htm ただ、一般論として、非抜歯矯正(歯を抜かないで治す矯正)の適応ケースは、早めに治療を開始する理由がありますが、抜歯ケースは治療期間が長くなることのデメリットを勘案し、永久歯列の完成まで待ってから始めることが少なくありません。 改めて注釈しておきますが、上記の<非抜歯の適応ケースであれば>とは、<歯を抜かないで矯正するためには>という意味ではまったくなく、<歯を抜かないで治すべきケースであれば>という意味ですので、<歯を抜きたくないので早くから矯正したい>と考えたら間違いです。歯科医側にもこの過ちが多く、偏見を承知でいえば、とくに小児歯科医にこの傾向があり、これに起因するトラブルをこの質問コーナーでよく見ます。 結論。 お嬢様のような混合歯列期の子供の矯正をいつ始めたら良いかは、矯正歯科医が判断すべきことであり、矯正する当事者(歯科医)でなければ判断できないことです。ですから、お母様は一人で悩むのではなく、まずは矯正歯科専門医院に相談に出向き、話(メリット、デメリット、必然性など)をよく聞くことです。そのうえで最終判断はお母様がすることですが、納得のいく矯正医が見つかるか(に当るか)どうかが、実はお母様とお嬢様にとって最も大切な関門です。矯正医選びに失敗しないために、トップページにあるメールセミナーを受けてみてはいかがでしょう。
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