| お子様のケースは先天性多数歯欠損症だと思われますが、ご質問にお答えする前に基礎知識として、歯の数について少しお話をしておきます。話を理解しやすくするために、下記サイトのコンテンツ「歯科知識」を参考にしてください。 http://plus.e-kyousei.tv/ ヒトの永久歯は、片側の前歯から奥歯まで8本あります。歯の数は左右対称、上下対称ですから、上顎下顎にそれぞれ8×2=16本の歯があり、したがってヒトの歯の総数は8×4=32本ということになります。また、乳歯は片側に5本づつ生えますので上下それぞれで10本、合わせて総数20本です。歯科ではそれぞれの歯に番号をつけており、永久歯は前から順番に1〜8,乳歯はA〜Eという呼び方をします。この呼び方を頭に入れて下さい。 現代人の永久歯は32本ありますが、遠い将来その総数は20本になるだろうと予測されています。これは、蛇の脚が進化とともに退化(消失)したのと同様に、歯数の減少はヒトの進化と考えられています。そして、将来、退化(消失)するであろうと予測されている歯は2,5,8番の歯です。つまり、未来人の歯は1,3,4,6,7番の歯が残ると考えられており、総数は5×4=20本になるというわけです。 お子様の場合は、多分、上下左右2番の欠損だと思われますが、矯正治療を希望される患者さんに歯数の先天性欠如があるのは、全然珍しいことではありません。お子様は、今は歯数の不足が確認されているだけで特に目立った不正咬合はないようですが、ともあれ一度、矯正歯科専門(開業)医で診てもらい、できればそこの管理下に入って定期的に観察をしてもらえば、お母様としては安心かと思います。
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